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■バレーボールが強くならない本当の理由

2006/04/12

“新・東洋の魔女”が全日本をバッサリ…女子バレー(livedoorニュース)

１９７６年モントリオール五輪で金メダルを獲得した全日本女子チームのメンバーが１０日、ＮＰＯ法人設立を都内で発表。３０年ぶりに公の場で集合した元選手たちは、近年不振にあえぐ全日本女子に苦言を呈する声が噴出した。

「東洋の魔女」復活を願って、後輩はもちろんそれを取り巻くVリーグ企業や選手管理に注文をつけている内容。強くなってもらいたいという気持ちは大変結構。でも、実は日本のバレーボールの弱体化の原因は、協会そのものにあるのではないか、と思う。

まず、日本のナショナルチームが世界大会で戦っている模様が、テレビで放送されているところ想像してもらいたい。

決まって日本で行われていると思う。
会場からは大きな「ニッポン」コール。
見事なまでのホームゲームだ。

調べると、国際バレーボール連盟が主催する大会のうち、五輪前年に開催されるワールドカップと、翌年に開催されるいわゆるグラチャンは、毎年日本開催に固定されている。おまけにどちらの大会も日本は無条件に出場権が与えられている。

他のスポーツでこんなことしたら、他の国から間違いなく、文句が来るだろう。というか、文句は来ないのか。他のナショナルチームは、日本戦になれば、毎回圧倒的なアウェーで戦うことになるのだから。

しかし、一方で「本番」の五輪ではこのようなホームアドバンテージは無くなってしまう。いや、日本の熱心な応援団が駆けつけるから全く無いわけではないが、それでも本国とは比べ物にならない。肝心の五輪では、観客という強力なバックアップなしに、まさに自分たちの精神力だけが頼りになるのだ。

ホームゲームが逆に足を引っ張る要素もある。本国開催である以上、やはり優勝が至上命題。最大限の戦力、その時の「旬」の選手の起用、全ての戦術を駆使してそれを目指そうとする。五輪まで「隠し玉」を取っておく余裕も無く、他の国にとっては、最高の日本研究材料になるわけだ。

バレーボール協会が用意した環境は、日本を強くするにはあまりに甘いとしか言いようがない。本当に強くしたければ、アウェー大会の割合をもっと多くし、五輪にターゲットを絞った長いスパンでの選手育成と戦術を考えるべきだ。

ではなぜそうしないのか。答えはある程度想像できる。

ワールドカップはフジテレビ、グラチャンは日本テレビが放映し、どちらもアイドルグループを絡めて盛り上げている大会だ。放映権や入場料の収入は、協会にとっては非常に大きなものだろう。

強くする前に、まずおカネなのだ。

テレビ局側だって、ゴールデン枠で視聴率が安定して稼げるから、海外でやってもらいたくはない。当然電波からこういう問題提議がでてくる可能性はゼロだ。放送では「がんばれニッポン」って言ってはいるが、抜本的対策を講じられては困ることになる。

協会とテレビ局、見事に利害が一致している。これでは将来も悲観的にならざるを得ない。選手レベルの「根性」でどうにかするにも限度がある。

さすがに諸先輩方も、お世話になった協会にまでメスを入れるような発言はできまい。でも、内心はそう思っているんじゃないですか？

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